グリーンカレーとは?その魅力をひと言で言うと…
タイ語で「ゲーン・キアオ・ワーン(แกงเขียวหวาน)」と呼ばれるグリーンカレー。
“キアオ=緑”、“ワーン=甘い”を意味し、見た目の鮮やかさとは裏腹に刺激的な辛さと深みのある甘みが共存するタイ料理の代表格です。
ココナッツ仙人ココナッツミルクのまろやかさ、青唐辛子の鋭い辛み、そしてハーブの香り。
この三位一体のバランスが、生まれた瞬間から人を虜にしてきました。
グリーンカレーの誕生はいつ?歴史をひも解く
グリーンカレーの起源は19世紀〜20世紀初頭、ラタナコーシン王朝時代までさかのぼります。
当時、バンコクは東南アジア各国の文化が行き交う都で、料理にも多様な要素が取り入れられ、豊かな香りのある“カレー文化”が花開きました。
実は、現在のグリーンカレーはごく新しい料理で、
タイの伝統料理の中でも1900年代に洗練されていった比較的モダンなカレーです。
ペーストに青唐辛子を取り入れ、ココナッツミルクと合わせるスタイルは王室料理の影響が強く、
華やかで奥深い味わいは当時の宮廷で愛された味から進化していったともいわれています。
緑色はどう作られる?本場と日本の違い
グリーンカレーの最大の特徴は、その美しい翡翠色。
この鮮やかな緑は、青唐辛子やバジル、レモングラス、カー、コブミカンの葉など、
**タイ特有のハーブの“生の色”**から生まれます。
本場タイ
● 生の青唐辛子(プリッキーヌ)を大量に使用
● 鮮烈な緑が出るようハーブを石臼で叩き潰す
● 辛さは強烈、香りは立体的
● 甘さと辛さが共存する“奥深い”味
日本のグリーンカレー
● 辛さを控えめに調整
● ペーストの色はやや落ち着いた緑
● ハーブ類は乾燥かペースト加工品が多い
● まろやかで食べやすい仕上がりに
この“色と香り”の違いこそが、本場のグリーンカレーを再現する最大の鍵と言っても過言ではありません。
実は地域差が大きい?タイ各地のグリーンカレー事情
タイの料理は地域によって個性が強く、グリーンカレーも例外ではありません。
●バンコク(中部)
一般的なバランス型。辛さと甘さの調和が特徴。
●北部・チェンマイ
ココナッツミルクの使用が少なめで、やや辛さが前に出る傾向。
●東北・イサーン
より辛く、ハーブの香りが強い“キレ系”の味わい。
●南部
海産物を使うことも多く、味が濃くて力強い。
“同じグリーンカレー”でも、食べ比べれば全く違う表情を見せてくれる、奥深い料理なのです。
“辛いだけじゃない” グリーンカレーが世界に愛された理由
世界中で愛される理由は、辛さだけでなくココナッツミルクのまろやかさと香りの多層性。
青唐辛子の刺激、バジルの爽やかさ、レモングラスの清涼感、ココナッツミルクの甘み…
これらが重なり合うことで、スパイシーなのに優しい唯一無二の味が完成します。
さらに、鶏肉、豚、魚、野菜など、どんな具材とも相性が良く、
海外の食文化に合わせて自由自在にアレンジしやすいのも魅力のひとつです。



知るほど面白い!グリーンカレーの豆知識5選
“甘い” は砂糖の甘さではない?
「ワーン」は“甘い”という意味ですが、実はハーブの香りを含む甘いニュアンスを指すと言われています。
グリーン・レッド・イエローのタイ三大カレー
● グリーン=青唐辛子
● レッド=赤唐辛子
● イエロー=ターメリック
色の違いは香辛料の違いだけで、風味は全く異なります。
本場ではナスが主役級
日本では鶏肉が主役ですが、タイでは**マクアプアン(タイ丸ナス)**が重要。
宮廷料理としての洗練
王室のシェフたちが“見た目の美しさ”を追求したことが、翡翠色の美しさに繋がったとも言われます。
グリーンカレーは意外と日常食
日本では特別感がありますが、タイでは屋台でも一般家庭でもよく食べられる“日常の味”。
まとめ:タイ料理の進化とともに歩んだグリーンカレーの物語
グリーンカレーは、タイの豊かな食文化とハーブの恵み、そして歴史の中で育まれた宮廷料理のエッセンスを併せ持った料理です。
鮮やかな翡翠色、スパイシーで奥行きのある味、香りのレイヤー。
そのすべてが世界中の人々を惹きつけ、今も進化し続けています。
タイ料理.comでも、レシピだけでなく食文化の背景を伝えることで、
“本場の味”の魅力がより深く伝わるはずです。







