はじめに:なぜ“ガパオ”は人を魅了するのか?
ふわりと鼻をくすぐるホーリーバジルの香り。
熱々のフライパンから立ち上るナンプラーの香ばしさ。
そして、白いご飯の上でとろりと黄身が輝く揚げ焼き目玉焼き——。
ガパオは、ひと口食べるだけで気分が高揚する、不思議な魅力を持った料理です。
日本では「ガパオライス」という名前で知られ、カフェや専門店でも大人気。
しかし、多くの人はまだ気づいていません。
“ガパオ”とは本来、料理名ではなく「葉っぱの名前」だということに。
この記事では、ガパオの歴史や本場との違い、そしてなぜここまで人々を虜にするのかを詳しく紹介します。
タイ料理好きはもちろん、グルメの読者も読み進めたくなる内容になっています。
ガパオとは?本場タイでは「葉の名前」だった
ガパオ=ホーリーバジル。スパイシーで力強い香りが主役
“ガパオ(กะเพรา)”とは、ホーリーバジルのタイ語名。
スイートバジルよりも香りが強く、清涼感と辛みが特徴です。
ガパオの香りが立つだけで、
「これから旨いものが食べられる」という期待感が生まれます。
本場タイでは、ガパオが入っていない料理を“ガパオ”とは呼びません。
つまり、日本でよく見る“バジル炒め風”は、
正確にはガパオとは別物なのです。
ガパオライスは意外にも新しい料理だった
1950〜80年代に屋台文化で定着した国民食
ガパオライスは伝統料理のように見えますが、実は比較的新しい料理。
1950〜80年代に、タイの食堂や屋台で急速に広まりました。
当時のタイは都市化が進み、
「早い・安い・旨い」料理が求められた時代。
そこで人気を獲得したのが、
“炒めて白ご飯に乗せるだけ”のパットガパオでした。
「迷ったときはガパオ」——タイ人にとっての定番料理
タイ人の間にはこんな言葉があります。
「困ったらガパオ、迷ったらガパオ」
日本でいう“牛丼”や“ラーメン”のような立ち位置。
食堂のキッチンで、10分以内に出てくるスピード感も魅力です。
本場のガパオの特徴|日本のガパオとの違いとは?
本場は“とにかく辛い”が基本。プリッキーヌが主役
タイ人が好むガパオは、驚くほど辛いものが多いです。
プリッキーヌ(激辛の生唐辛子)を惜しげもなく投入します。
辛さの奥にホーリーバジルの香りが広がり、
一度味わうとクセになる中毒性があります。
本場は具材がシンプル。野菜はほぼ入らない
日本版ガパオにはカラフルな野菜が入っていることが多いですが、
本場のタイでは、基本的にこんな具材だけです。
● 肉(鶏・豚・牛・シーフード)
● にんにく
● 唐辛子
● ガパオの葉
余計な野菜を加えず、香りと辛さを楽しむスタイルです。
プリックナムプラーで味変するのがタイ流
本場では、
ナンプラー+ライム+唐辛子を混ぜた“プリックナムプラー”
をかけて食べます。
数滴垂らすだけで、香りがグッと引き締まり、
“本物のガパオの味”に変わります。
ガパオが日本で人気爆発した理由
カフェ文化により「映える料理」としてブームに
日本でガパオライスが流行したのは2010年代。
ワンプレートご飯の流行と同時に、
ガパオの写真映えする彩りがカフェ飯として人気を高めました。
辛さ × 甘じょっぱいソースのバランスが日本人の舌に合った
ナンプラー、オイスターソース、砂糖の甘辛バランスが心地よく、
タイ料理初心者でも食べやすい点も人気の理由です。
さらに「野菜が多め」「辛さ控えめ」といった
日本独自のガパオ進化系が、広く受け入れられました。
まとめ|ガパオは“香りで魅了する”タイの国民食
ガパオは、単なるエスニック料理ではありません。
● 香り豊かなホーリーバジルの存在感
● 都市化の中で誕生したスピード飯
● 迷ったときに選ばれる国民食
● 本場との違いがあるからこそ世界で愛される
これらの要素が相まって、人々を虜にし続けています。
もしあなたがまだ“本場のガパオ”を食べたことがないなら、
ぜひホーリーバジルをたっぷり使った一皿を試してみてください。
きっとその瞬間、
「これが本物のガパオか…!」
と驚きが走るはずです。

